robou55’s diary

http://d.hatena.ne.jp/robou55/ のつづき

ソフトバンク採用問題

アゴラで行われていたソフトバンクの就職試験特別選抜問題、なかなかおもしろい。正直なところ、議論の内容はそれほど濃くはないと思うが、


「社会じゃなんでもありなんだよ!なめてんじゃねーよ!」的な実業界からの反応 vs 抽象的かつ極論で何を言っているのかわからない学者先生。


の構図から、学者先生のいっていることはちょっとわかりやすくなり、実業界組も、守るべきルールがある(そしてソフトバンクはそれを守っていなかった)、というところに落ち着いてきたようだ。


鼻につくのは、いちいち相手を褒め称えたりする台詞が入るところ。相手の気を悪くするのを避けるためだろうが、ここは、信夫君のように政治的配慮をしないすぱっとした発言でまとめてくれないと。あと、分量も制限を設けるか、要するに何が言いたいのかが一段落でわかる「要旨」をつけることも希望したい。


実際の所、人事に際して、求める能力を持っているかどうかを測るために実際にやらせてみる、というのは理にかなっている。むしろ、多くの採用の現場では実際に求められる能力よりも人柄とか別の観点で選んでしまうためしばしば失敗が起こることを
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では指摘している(たしか)。「大道芸人をやとうときには芸をさせてみるでしょ」というわけだ。


実際、採用時に講義ができるかどうかを全く試されない日本の大学にくらべ、USAでは、必ず模擬講義というのをやらせるようである(コワイコワイ)。


ただ、やっぱり学生に、しかもフリーで「売ってこい!」っていうのは乱暴すぎたね。普通に「バイトの中で売り上げ一番を3ヶ月続けたら本部正社員になれるかも!」という話なら文句はなかったんだろう。


それにしても学者先生の論旨はいただけない。


1. 多分Aという法則があるような気がする。
2. BはAに合致しない。
3. したがってBはおかしい。


というような感じなのだが、そもそも1がかなり曖昧な状態であるし、善悪の判断に使って良いかどうかのコンセンサスもとれない。この状態では、3の結論は導かれない。こういう論旨の誤りは日本人が良くやってしまう例ベスト10位に入っていて、理系の論文の書き方本では結構出てくると思う。文系ではOKなのか?