robou55’s diary

http://d.hatena.ne.jp/robou55/ のつづき

ああ勘違い:科学 vs 宗教なのか?

「科学技術信仰に魂を売らない」
http://www.asahijobnet.com/column/index.asp?back=22
ざっと読んだだけだけど、科学技術文明を取り入れた明治政府が廃仏棄釈をした = 科学技術文明によって結果、道徳が死んだ!、んだそうで。
なんというか、こういう文章、読んでいて恥ずかしいです。著者は科学の教科書を読んだことがあるのでしょうか?。科学は「教え」ではないですよ。世界一の科学立国、アメリカはまた神様を信じてないと大統領になれない国である。終わりのない戦争を引き起こしている原因は民族対立や宗教の対立である。
なんでこの著者はこんなにいろいろと断言できるのか全く理解できないのだが、ともかく、科学 vs 宗教という対立構造を書くことはナンセンスだし、ましてや現代社会の問題が科学技術に頼り過ぎた結果いうのもナンセンス。科学技術は包丁のようなもので人を殺すこともできればおいしい刺身を作ることもできる。
人間の社会構造のひずみは人間の心や社会構造の問題。科学が抱えている問題ではない。むしろ、国が抱えている問題をきちんと科学的方法論を持って定量的に解析していれば多くの問題は解決されるはずだが、いろいろな権力構造に邪魔されてそれができないだけだとおもう(あと、科学的方法論では身近な問題は複雑すぎて答えられないことが多い)。
この人の言う科学を資本主義に置き換えるとまあまあ話は通じる。多分、こう言う人たちはそう言う勘違いをしている。その辺り、この著者は実に表面的な議論だけですませてしまっているように思う。
きっと、「現代社会は悪い、そして現代社会をあらわすキーワードは科学」、ということでこうなったのだろうが、こういうあさはかな思考が多くの社会的問題を生み出す元凶であり、あさはかな思考を排除するための最も強力な手段が科学的方法論である。